やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2024/07/23
古物商が一般消費者から商品を仕入れた場合のインボイス制度上の帳簿記載事項

[相談]

 私は、古物営業の許可を得て商品(古物営業法上の古物に該当するもの)を一般消費者(インボイス発行事業者でない人)から買取り(購入価格はすべて税込み1万円以上)、それをインターネット取引で販売しています。
 さて、消費税のインボイス制度では、古物商が一般消費者から課税仕入れを行う場合には、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるという特例があるとのことですが、その帳簿への記載事項を教えてください。

[回答]

 ご相談の帳簿には、@取引の相手方の氏名又は名称及び住所又は所在地、A取引年月日、B仕入れた商品(古物)の内容、C支払対価の額、D古物商等特例に該当する旨を記載することと定められています。詳細は下記解説をご参照ください。

[解説]

1.インボイス制度開始後の仕入税額控除の要件

 消費税のインボイス制度における仕入税額控除(※1)の規定は、原則として、事業者がその課税期間の課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿及び請求書等を保存しない場合には、その保存がない課税仕入れ、特定課税仕入れ又は課税貨物に係る課税仕入れ等の税額については、適用しないと定められています。

 ただし、古物商等がインボイス発行事業者以外の者(消費者)から課税仕入れを行う場合その他の一定の場合におけるその課税仕入れ等の税額については、一定事項(下記3.参照)を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるという特例が設けられています。

※1 仕入税額控除とは、課税売上げに係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額を差し引くことをいいます。

2.帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる業種

 上記1.の特例は、その課税仕入れに係る資産が次に掲げる資産のいずれかに該当する場合(※2)等に適用されます。

  • @古物営業法に規定する古物営業を営む古物商である事業者が、他の者(※3)から買い受けた古物
  • A質屋営業法に規定する質屋営業を営む質屋である事業者が、他の者(※3)から所有権を取得した質物
  • B宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引業を営む宅地建物取引業者である事業者が、他の者(※3)から買い受けた建物
  • C再生資源卸売業その他不特定かつ多数の者から再生資源等に係る課税仕入れを行う事業を営む事業者が、他の者(※3)から買い受けた当該再生資源等

※2 その資産が、消耗品を除く棚卸資産に該当する場合に限ります。

※3 インボイス発行事業者を除きます。

3.消費税法上の帳簿の記載事項(原則)

 上記1.の帳簿とは、原則的には、次に掲げる事項が記載されているものをいいます。

  • @課税仕入れの相手方の氏名又は名称
  • A課税仕入れを行った年月日
  • B課税仕入れに係る資産又は役務の内容(その課税仕入れが他の者から受けた軽減対象課税資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象課税資産の譲渡等に係るものである旨)
  • C課税仕入れに係る支払対価の額(その課税仕入れの対価として支払い、又は支払うべき一切の金銭又は金銭以外の物もしくは権利その他経済的な利益の額とし、その課税仕入れに係る資産を譲り渡し、もしくは貸し付け、又はその課税仕入れに係る役務を提供する事業者に課されるべき消費税額及びその消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する額がある場合には、その相当する額を含みます)
4.特例の適用を受ける場合の帳簿への追加記載事項

 上記1.の特例の適用を受ける場合には、上記3.の帳簿の記載事項に加え、「課税仕入れの相手方の住所又は所在地」、「帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるいずれかの仕入れに該当する旨(古物商等特例に該当する旨)」を記載する必要があると定められています。

5.古物商における帳簿記載事項の留意点

 古物商については、法令上、対価の総額が1万円以上(税込み)の古物(古物営業法上の古物)を受け取り、又は引き渡したときは、その都度、@取引の年月日、A古物の品目及び数量、B古物の特徴、C相手方の住所・氏名・職業及び年齢などを帳簿等(いわゆる古物台帳)に記載・保存しなければならないと定められています。

 このため、上記1.の特例は、古物台帳に上記事項(古物営業法上の帳簿等の法定記載事項)が適切に記載・保存されていることが前提となっているという点にご留意ください。

 なお、古物台帳に法定記載事項が記載されている場合であっても、上記4.の記載事項については古物台帳への法定記載事項ではないことから、別途、帳簿(総勘定元帳など)に記載する必要がありますので、この点にもご留意ください(古物台帳に記載した事項(相手方の氏名など)については、総勘定元帳などへの記載は不要となります)。

[参考]
消法30、消令49、平成28年改正消法附則52、53、令和5年国税庁告示第26号、古物営業法2、16、古物営業法施行規則16、17など

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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